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『最後のサムライ』
市原隼人さん主演の『最後のサムライ』の千秋楽を見てきました。

思ったより言葉遣いや時代背景がしっかりしてたなぁという感じです。
若い人の舞台(作る側というより客層的に)というとその辺を凝ってしまうと
伝わりにくくなるのではしょったりする事が多いと思ったんですが、
まぁ最近は歴女とか、腐女子にも詳しい人多いですからね。

とはいえ、そんな人ばかりでもないので、
わからない人にも詳しく説明するためにいた人物が、
医者の先生だったと言う事でしょうか。

ソニンさんは初めて見ましたが、
遊女の癖のある喋り方などしっかり表現してて雰囲気出てました。

辻本さんは片言の役だと聞いてましたが、そんなに片言っぽくなかったですね。
ギャグではないので段々押さえるようにしたんでしょうか。
それでも、片言のシーンと流暢に喋るシーンと使い分けて、
時間軸の違いを表現していたのは上手い演出だなと思いました。

徳山秀典さんの殿は「この人になら付いていきたい」って思わせてくれる
いいお殿様でしたね。

藤尾勘太郎はすごかったですね。あれで28歳ですって!
声だけではなく、雰囲気も「旧体制にしがみつく老害」がよく表現出来ていました。
最後に意見が変わったのを指摘されて狼狽する芝居も良かったなぁ。


さて、この物語は主人公・河井継之助の「失敗」の物語です。
河井の目論みが上手く行っていたら、尊王派の侵攻が長岡、今の新潟県で止まっていたかもしれない。
そうすれば、河井は第二の坂本龍馬と呼ばれていたかもしれません。

では何故河井はその思いを達成出来なかったのか?

別に「こうすれば河井は成功した」という話がしたいのではありません。
河井はそれまで常に二手、三手を考え、一つ失敗しても立て直しが効くように配慮していた。
誠に聡明な人物であったと言えるでしょう。
それが何故小千谷談判は失敗したのか?

その理由は「山縣有朋か黒田清隆に直談判出来なかった事」
「代わりにいたのが岩村精一郎だったこと」だろう。

会談の際に、最高指揮官(その時は北陸道鎮撫総督府として
山縣と黒田が就いていた)と直接会談するのは基本。
それ以下の者が決定する事は出来ないし、あってはならない。
岩村精一郎なんてただの軍監、いわば中間管理職やしね。
戦闘を指揮するのが仕事であって、決して戦争に関する決定権はないわけで。
もちろん本当なら河井の意見、もしくは身柄は保留しておくべきなのだが、
それがなされなかったのも河井の不運でしょう。


なお、小千谷談判を台無しにした岩村精一郎は、
日本学者のドナルド・キーンにすら「無能で横柄な男」と評されている。
木戸孝允ら長州人も「キョロマ(軽率で無思慮という長州方言)」と言っていたそうな。
岩村自身、自伝でこの時の事を「途中で従うようになった
信州各藩の家老は平凡な人材ばかりで、河井についても
経歴・人物を知らなかったため、時間稼ぎをしているだけだと思った」
等と情けない言い訳を吐露しています。
今回の悪役として申し分ない人物だったと言えましょう。

ちなみに、山縣有朋が小千谷の新政府軍本営に着いた際、
岩村は贅沢な朝食を地元の娘に給仕させており、
激怒した山縣は土足のままその膳を蹴り上げたという逸話が残っています。
日露戦争のその時も「一介の武弁」を貫き通した山縣としては
そりゃ許せなかった事でしょう。

その山縣を演じた久ヶ沢徹さんは、今回も見応えのある演技でした。
最初はスネルの言動に翻弄される立場でしたが、岩村を叱責するシーン、そしてその後の
「斯く成る上は、勝たせてもらう」からの迫力は震え上がりました。
下座の席に座りたかった…


【出演】
市原隼人
徳山秀典 中村誠治郎 阿久津愼太郎 オレノグラフィティ(劇団鹿殺し) 
猪野広樹・小林豊(BOYS AND MEN)(Wキャスト) 山内圭輔(Wキャスト)
岡本玲 /辻本耕志(フラミンゴ) 永島敬三 藤尾勘太郎(犬と串)/久ヶ沢徹/ ソニン
ホリユウキ(犬と串) 萩原達郎(犬と串) 板倉武志(犬と串) 木村まこ 松本優希


【スタッフ】
脚本:岡本貴也
演出:イヴァン・キャブネット
企画・製作:メディアミックス・ジャパン

【公演日程】
劇場:天王洲 銀河劇場
2015年3月4日(水)〜3月15日(日) ※全16公演

チケット代、S席で8,500円。高いっ!
でもバレンタイン&アメスタ特典で購入して7,500円にしました。
ありがたや。ちゃんと公式はチェックしておくべきやね。


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by choyushi | 2015-03-17 16:16 | 作品鑑賞 | Comments(0)